さあ、ど~もこんにちは! Traife365(とらいふさんろくご)のズーカーです。
「誰かが主な債権国に呼び掛け、招く必要がある。我々は日本に要請する」
ロイターの取材に対し、このように語ったスリランカのウィクラマシンハ大統領。このコメントではどこか他人事のようにも聞こえますが…。
2022年4月に対外債務返済の一時停止を表明し、デフォルト(債務不履行)に陥ったスリランカ。IMFによるとスリランカの2国間債務総額は2020年末時点で62億ドルと推計され、この他にも国際市場で発行したソブリン債による140億ドルの負債を抱えるスリランカはまさに借金地獄。
ゴタバヤ・ラジャパクサ氏(第8代大統領)と実兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏(第6代大統領)は共に親中路線を推し進め過剰な債務を抱えた結果、返済に行き詰まります。2017年には中国から11億ドルの融資を受け建設した南部にあるハンバントタ港の港湾運営権を中国側に譲渡したのは有名な話。
2020年に日本支援の鉄道計画を当時のゴタバヤ・ラジャパクサ政権が高額な事業費を理由に一方的に中止するなど、中国傾斜を強めてきたスリランカ。
「そういえばインドネシアにも同じ事やられたよな!」
この経済危機による抗議デモ激化で前大統領のゴタバヤ・ラジャパクサ氏は国外逃亡の末に辞任。現在スリランカはIMFと救済策について交渉しており、中国やインドなどの主要債権国を日本にまとめてもらうことで今後IMFから追加融資を求めるというのが見方のようです。
個人的にスリランカは大好きですが、これまでに「散々中国にすり寄って困ったら日本」というような舐めた態度をする国は突き放すのが一番。もちろん日本が支援してスリランカの危機を上手く回避することができれば国際的な存在力は高まりますが、それではモヤモヤ。
「日本は困ったときのATMじゃねぇ!」
とはいえ過去にスリランカによって救われた日本。
1951年のサンフランシスコ講和会議でセイロン(現スリランカ)代表として日本擁護の演説を行ったジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ氏(のちのスリランカ大統領)。
「憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止む」
として日本に対する戦時賠償請求を放棄し、日本の国際社会復帰を訴えました。このようにジャヤワルダナ氏が日本の国際社会復帰の道筋を作ったことにより今の日本があるといっても過言ではありません。
現在スリランカでは物価高騰に加え、外貨不足で石油やガスが輸入できず計画停電を実施するほど厳しい生活のようです。日本もバブル崩壊後デフレ脱却できずに長年もがいている状態。日本、スリランカ共に豊かで安定した生活が取り戻せるよう何とかしたいところ。
日本はスリランカの要請にどう応えるのか? 今後に注目です。
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