新型肺炎の感染拡大の影響によりエクセター空港に本社を置くイギリスの航空会社『フライビー(Flybe)』が3月5日に破産を申請し、経営破綻しました。このフライビー(Flybe)はイギリスと欧州各国を結ぶ便を運航し、欧州最大の路線数を持つ地域航空会社。新型肺炎の影響で航空需要の減少、相次ぐキャンセル、資金調達の不調により経営破綻したようです。
またオランダのフラッグキャリア『KLMオランダ航空』は3月13日に従業員3万5千人のうち最大2千人の解雇をする方針を発表しました。こちらも新型肺炎の影響により航空需要の減少が理由のようです。
今後新型肺炎の影響が長引き、欠航や運休など需要減が続くようならさらに経営難の航空会社が出るとみているようです。ここまでくると航空業界というより世界経済が沈んでしまいます。世界各国が入国制限、行動制限をかける中では需要急回復は当分見込めそうにありません。
アジアの航空会社は?
韓国のアシアナ航空は代表取締役を含む役員全員の報酬削減を発表。12日現在、欧州路線全体40路線中29路線が運休。日本路線すべて運休。
韓国の大韓航空は外国人パイロットに対し自国に留まることを希望する申請者に無給休暇の実施を発表。12日現在、欧州路線3路線以外すべて運休。日本路線一部運航。
3月12日には金浦空港(韓国)開港40年で初の離発着は0便、利用客0人を記録(新型肺炎の影響前は週392便)。また仁川空港も開港以来初の利用客数1万人台を記録(約90%減)。空港内のレストランやコンビニ、免税店などは休業や短縮営業などで対応。航空需要が落ち込めば空港サービス業にも深刻な影響が広がります。
このように世界各国の航空会社は運休や減便、解雇、役員の報酬カットなど様々な対応に追われています。ここ日本でも新型肺炎の影響は避けられず、運休、減便を実施。3月13日現在、日本からの『入国制限』は35の国と地域、指定場所での一定期間の隔離義務がある『行動制限』は76の国と地域で日本の国際路線も影響は深刻。今後最悪の場合は全路線停止などの可能性もあります。スカイマーク(SKYMARK)では全便欠航の場合現預金だけで約2か月、融資枠を含めると約4か月維持できるそうです。スカイマークは主に国内路線がメインなので国際線を運航するフラッグキャリアに比べて影響(入国制限や行動制限などのリスク)は少ないですが日本国内の移動もストップしてしまうとやはり4か月では不安なのかもしれません(全便欠航で約4か月維持はとてもしっかりした経営状態だと思いますが)。
価格競争でギリギリの経営している航空会社はかなり厳しく借入金が多い航空会社は運休期間が長引くとますます厳しい経営状況になり、今後倒産する航空会社が出てくると予想されます。
財務省が発表している法人企業統計では2018年度の内部留保は過去最大の約463兆円。日本企業はバブル崩壊後、内部留保をため込んでいるのでこういった不測の事態にしっかりとした対応をしてもらいたいです。「日本の経営者の皆様、こういった時の内部留保ですよね?」
間違ってもこの時期の新卒者の内定取り消しや従業員の解雇は…。
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